
お久しぶりです。
バタバタと遠方を行ったり来たりしていましたが、ようやく少し時間ができて、久しぶりに映画館へ行ってきました。
そして出会ってしまったんです。
空気の密度というか、画の質感というか、心にまとわりつくような“とんでもない作品”に。
今回紹介するのは、草彅剛さん主演の日本映画『ミッドナイトスワン』です。
30秒で分かる『ミッドナイトスワン』
- 結論:観終わったあと、胸の奥が静かに痛む。でも目をそらせない映画。
- 見どころ:草彅剛さんの“所作”と“質感”が異常にリアル。
- 刺さる人:家族、居場所、理解されなさ、そんなテーマに心当たりがある人。
- 注意:この記事の後半は【ネタバレ】ありです。
作品情報

- 公開:9月25日公開(記事原稿より)
- 主演:草彅剛、服部樹咲
- 出演:水川あさみ、真飛聖、田口トモロヲ ほか
- 監督:内田英治(『全裸監督』などで知られる監督)
※ヒロイン名が原稿内で「一華/一果」と揺れていたため、本文では「一果」に統一しています。
あらすじ(ネタバレなし)
ショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)は、都会の片隅で静かに暮らしていた。
幼い頃から自分の「性」に違和感を抱えながらも、田舎にいる身内には打ち明けられないまま。
ある日、親戚の事情で育児放棄されていた少女 一果(服部樹咲)を一時的に引き取ることになる。
他人に気持ちを伝えるのが苦手な一果と、うまく距離を縮められない凪沙。ぎこちない共同生活が始まる。
そんな一果が唯一、心を動かすもの。それがバレエだった。
観ていて「つらい」のに、目が離せない理由
正直、観ている間ずっとしんどかったです。
胸の奥をきゅーっと締め付けてくる感じ。気づけば泣いてばかりでした。
ただ、その“つらさ”は暴力的じゃない。
静かに、確実に、こちらの心の柔らかいところへ入ってくる。だから目をそらせないんだと思います。
見どころ1:草彅剛の芝居が、言葉じゃなく“体”で刺してくる
この作品で一番衝撃だったのは、やっぱり草彅剛さん。
所作が、とにかく丁寧で、細部が生々しい。
歩き方ひとつ取っても「演技」じゃなく「生活」に見えるんです。
自分もヒールを履いて歩いたことがあるので分かるんですが、あれ、本当に大変なんですよね。
スニーカーの“かかとが地面に触れてる安心感”が、どれだけありがたいか。
ヒール経験者なら、きっと頷くはずです。
見どころ2:服部樹咲という存在が、一果を「物語」にしない
もう一人の主演、服部樹咲さんも凄かった。今回が初出演だというのが信じられません。
素朴で、美しくて、でもどこか危うい。
一果という人物が、こちらの“同情”や“都合のいい解釈”に逃げないように、ちゃんと目を合わせてくるんです。
一果が魅力的に立ち上がったのは、彼女の存在感が大きいと思いました。
見どころ3:周りを固める役者陣が、空気を「重く」しすぎない
水川あさみさん、真飛聖さん、田口トモロヲさん…とにかく役者が強い。
誰か一人が目立つのではなく、空気そのものを支えている感じがありました。
いいものを観ました。本当に。
ここだけ、少しだけ個人的な話
この作品はトランスジェンダーを描いた物語ですが、観ていて自分の過去の悩みも引っ張り出されました。
家庭環境の影響もあって、オネエっぽい声が出てしまうことがあって。
仕事中も含め「気持ち悪い」「ふざけてる」と言われた経験があります。
“普通じゃない”と見なされるだけで否定される。
本人にとっては普通のことなのに。そういう現実が、まだ残っている。
だからこそ、この映画が刺さりました。共感だらけでした。
【ネタバレ】ラストを「悲劇」だけにしたくない
ラストシーンについては、「悲劇のヒロインにしないで」という声もあるのは分かります。
でも自分は、凪沙の気持ちを考えると、単純に悲劇とだけは言い切れないと思いました。
お金を貯めていても、決定打がない。
世間が自分を受け入れないことを、どこかで分かっている。だからこそ、越えなかったラインがあるように感じたんです。
凪沙にとっての幸せって何だったのか。
女性としての幸せとは何なのか。
母という存在は何なのか。
小説の方では凪沙と一果の内面により深く入るぶん、見えやすくなる部分もあると思います。
ショッキングな描写も多い作品ですが、救いがないだけの話ではない。
“白鳥”は美しいだけじゃなく、見えないところに色々秘めている。
それは誰にでも起こり得ることだと、私は感じました。
まとめ:抱え込みそうな時ほど、この映画は刺さる
ここから先を書き始めたら止まらなくなって、全部自分なりに解釈してしまいそうなので、この辺りで。
こんな世の中で、抱え込んでしまうことがあっても。
それでも、頑張っていきましょう。
まだ観てない方は、ぜひ。
きっと、心に刺さると思います。




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